Essay エッセイ
サントリーニ島の食とワイン
2023年8月。
サントリーニ島は降水量が非常に少ない、乾燥した土地です。
そのため、多様な農作物を育てることは難しく、ストレスのかかる環境でも育つブドウが農業の中心となっています。
とはいえ、ブドウだけではなく、トマトや「ファヴァ」と呼ばれる豆もこの島の代表的な農産物です。
ただ、近年は観光地化が進み、もともと農業を営んでいた人々がホテル業などへ移行しているため、生産者の数は年々減少しているのが現状です。
ファヴァをお土産として持ち帰ろうと思ったのですが、豆類は日本への持ち込みができず、空港で没収されてしまいました。
気になる方は、ぜひ現地で味わっていただきたい一品です。
今回の滞在では、印象的なワインバーにもいくつか訪れることができました。
まず訪れたのは、「Alisachni Wine & Restaurant」。
細い道を進んだ先にあるこのレストランは、人通りも少なく、とても静かな空間で、ゆっくりと時間を楽しむことができます。
オーナーはソムリエで、ギリシャ全土から集められた多様なワインがセラーに揃っていました。
貝を包んだドルマデスにヤギのクリームチーズとバターソースを合わせた一皿や、
トリュフマヨネーズやヘーゼルナッツを使った牛のタルタル、
さらに、季節の野菜とハーブ、ギリシャ産黒トリュフを合わせた魚料理など、どれも印象に残る味わいでした。
ワインと料理、そして空間のバランスがとても心地よく、サントリーニの新しい一面を感じることができました。
カルデラを一望できるロケーションは、まさに圧巻。正直なところ、実物は何倍もきれいです。
このワインバーでも、サントリーニ島のワインはもちろん、ギリシャ各地のワインを楽しむことができます。
ギリシャサラダやドルマデス、フェタチーズのオーブン焼きといった定番料理に加え、
印象に残ったのがエビのサガナキ。
ぷりっとしたエビにトマトベースのソースが絡み、ロゼワインとの相性がとても良く、つい手が止まらなくなる一皿でした。
サントリーニ島の食は、決して食材が豊富なわけではありません。
ですが、その土地で育つ限られた食材を活かしながら、工夫と文化によって形作られていることを実感しました。
そして、その料理に寄り添うワインがあることで、より深くその土地を理解できるのだと感じます。
















サントリーニ島・ガバラス ワイナリー訪問